ビジネスメールでは、本文に入る前の「季節の挨拶文」が相手に与える印象を大きく左右します。
特に春夏秋冬の移り変わりに合わせた表現を取り入れることで、丁寧で心のこもった印象を伝えることができます。
本記事では、BtoB(法人向け)とBtoC(顧客向け)それぞれに適した挨拶文を、春・夏・秋・冬の季節別に分けてご紹介します。
すべてそのままコピペで使える文例なので、メール作成にお役立てください。

なぜ「季節の挨拶文」がビジネスメールで重要なのか
ビジネスメールの冒頭に季節の挨拶文を添えることは、単なる形式的なマナーではありません。
相手との距離を自然に縮め、やわらかい印象を与える「信頼構築の第一歩」です。
特に企業間(BtoB)のやり取りでは、硬すぎない丁寧さが相手に安心感を与えます。
また、個人顧客(BtoC)とのメールでは、季節感を取り入れることで“温かみのある対応”として印象に残りやすくなります。
たとえば、同じ「ご連絡ありがとうございます」という内容でも——
春なら「新緑の候」、夏なら「暑さ厳しき折」など、季節に合わせたひとことを加えるだけで、文章全体の印象が柔らかくなります。
さらに、季節の挨拶文を使うことで、「定型メールではない」「丁寧に書かれたメッセージ」 という印象を与え、ビジネスの信頼度を高める効果もあります。
社外メール・営業文・送付状など、あらゆる場面で活用できる万能なスキルです。
春の挨拶文|3月〜5月向け(BtoB/BtoC)
BtoB(法人向け):冒頭文
- 春暖の候、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
 - 陽春の候、貴社ますますご繁栄のことと拝察いたします。
 - 桜花の候、皆様にはご健勝のこととお慶び申し上げます。
 - 春風の心地よい季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
 - 若草萌ゆる季節となりましたが、ますますご清祥のことと存じます。
 
BtoB(法人向け):締め文
- 季節の変わり目でございます。どうぞご自愛くださいませ。
 - 春陽の候、引き続きご健勝にお過ごしくださいますようお祈り申し上げます。
 - 花冷えの折、くれぐれもお身体にお気をつけください。
 - 穏やかな春の日差しのもと、ますますのご活躍をお祈り申し上げます。
 
BtoC(顧客向け):冒頭文
- 暖かな春の日差しが心地よい季節となりました。いかがお過ごしでしょうか。
 - 春風が心地よい季節となりました。いつもご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
 - 桜の便りが聞こえる頃となりました。平素よりご利用いただきありがとうございます。
 - 新たな季節の始まりとともに、心も弾む春がやってきました。
 
BtoC(顧客向け):締め文
- 気温差のある時期ですので、どうぞ体調にはお気をつけください。
 - 春の訪れとともに、素敵な日々をお過ごしください。
 - 春風に包まれて、皆さまにとって心地よい季節となりますように。
 - 新生活を迎える皆さまに、たくさんの幸せが訪れますよう願っております。
 
夏の挨拶文|6月〜8月向け(BtoB/BtoC)
BtoB(法人向け):冒頭文
- 梅雨明けが待たれる今日この頃、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
 - 盛夏の候、皆様にはお変わりなくお過ごしのことと存じます。
 - 暑さ厳しき折、貴社の益々のご発展をお祈り申し上げます。
 - 蝉の声がにぎやかな季節となりましたが、お元気でお過ごしでしょうか。
 - 連日の猛暑でございますが、体調など崩されておりませんでしょうか。
 
BtoB(法人向け):締め文
- 猛暑が続いておりますので、くれぐれもご自愛のほどお願い申し上げます。
 - 夏季休暇前でご多忙のことと存じますが、何卒よろしくお願いいたします。
 - どうぞ涼やかに、健やかな夏をお過ごしくださいませ。
 - 引き続きのご高配を賜りますよう、お願い申し上げます。
 - 暑さ厳しき折、健康にご留意のうえお過ごしください。
 
BtoC(顧客向け):冒頭文
- 暑さが本格的になってまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
 - 梅雨が明け、夏らしい陽気となってきましたね。いつもご利用ありがとうございます。
 - 夏の青空がまぶしい季節となりました。ご愛顧に心より感謝申し上げます。
 - セミの声に夏を感じる今日この頃、お変わりありませんか。
 
BtoC(顧客向け):締め文
- 猛暑が続いておりますので、どうぞご自愛くださいませ。
 - 暑さに負けず、元気に夏をお過ごしください。
 - 夏バテなどされませんよう、お身体を大切にお過ごしください。
 - すてきな夏の思い出がたくさんできますように。
 
秋の挨拶文|9月〜11月向け(BtoB/BtoC)
BtoB(法人向け):冒頭文
- 秋晴れの心地よい日が続いておりますが、貴社ますますご清祥のことと拝察いたします。
 - 錦秋の候、皆様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
 - 朝晩の冷え込みが感じられる頃となりましたが、お変わりなくお過ごしでしょうか。
 - 実りの秋を迎え、ますますのご発展をお祈り申し上げます。
 - 秋冷の折、皆様のご健康をお祈り申し上げます。
 
BtoB(法人向け):締め文
- 紅葉の美しい季節、どうぞ健やかにお過ごしください。
 - 年末に向けご多忙の時期かと存じますが、何卒よろしくお願いいたします。
 - 秋冷が身に染みる時節となりました。どうぞご自愛くださいませ。
 - 今後とも変わらぬお引き立てを賜りますようお願い申し上げます。
 - すがすがしい秋晴れのように、皆様のご活躍を心よりお祈り申し上げます。
 
BtoC(顧客向け):冒頭文
- 朝晩に秋の気配を感じるようになりました。いつもご利用ありがとうございます。
 - 秋晴れが心地よい季節になってまいりました。お元気でお過ごしでしょうか。
 - 風に金木犀の香りが漂う頃となりました。皆さまのご健康をお祈り申し上げます。
 - 実りの秋、読書の秋…何をするにも心地よい季節ですね。
 
BtoC(顧客向け):締め文
- 季節の変わり目ですので、どうぞご自愛くださいませ。
 - 秋の夜長、心豊かな時間をお過ごしください。
 - 紅葉の美しい季節、皆さまにとって素晴らしい秋となりますように。
 - これからも変わらぬご愛顧を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
 
冬の挨拶文|12月〜2月向け(BtoB/BtoC)
BtoB(法人向け):冒頭文
- 年の瀬が迫ってまいりましたが、皆様にはお変わりなくお過ごしのことと拝察いたします。
 - 寒さ厳しき折、貴社のご繁栄を心よりお祈り申し上げます。
 - 新春の候、旧年中は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
 - 霜寒の候、貴社におかれましては益々ご清祥のことと存じます。
 - 年末のご多忙の中、何かとご配慮いただき感謝申し上げます。
 
BtoB(法人向け):締め文
- 寒さが厳しさを増しておりますので、どうぞお身体を大切にお過ごしください。
 - 寒冷の折、ご自愛のほどお願い申し上げます。
 - 年末年始に向け、引き続きよろしくお願い申し上げます。
 - 寒さの折、皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
 - 本年も変わらぬご厚情を賜りますよう、お願い申し上げます。
 
BtoC(顧客向け):冒頭文
- 冬の寒さが厳しくなってまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
 - 街にイルミネーションが灯る季節となりました。いつもご利用ありがとうございます。
 - 年の瀬が近づいてまいりましたが、日頃のご愛顧に心より感謝申し上げます。
 - 吐く息も白くなる今日この頃、皆さまのご健康をお祈りいたします。
 
BtoC(顧客向け):締め文
- 寒さが厳しくなってまいりました。どうか暖かくしてお過ごしください。
 - 冬の澄んだ空気とともに、皆さまに穏やかな日々が訪れますように。
 - 本格的な冬の訪れです。お身体にお気をつけてお過ごしくださいませ。
 - どうぞあたたかいお正月をお迎えくださいませ。(※年末向け)
 
挨拶文作成時の注意点とメールマナー
季節の表現は具体的に
ビジネスメールの挨拶文では、「春の候」や「秋冷の折」などの季語を使った表現が一般的です。
ただし、あまりに形式的すぎると味気なくなるため、「桜の便りが届く季節」や「金木犀の香りが漂う頃」といった具体的な情景描写を取り入れることで、より自然で印象に残る文になります。
たとえば——
- 「春になりましたね」
 
- 「桜が咲き始め、春の訪れを感じる季節となりました」
 
といった具合に、五感に訴えるような一文を添えると効果的です。
相手との関係性に応じて文調を調整
挨拶文のトーンや文末表現は、相手との距離感や関係性によって調整することが重要です。
- 初めての取引先・フォーマルな相手(BtoB)には、定型的な文語調で丁寧に。
 - 個人顧客・リピーター(BtoC)には、やや親しみを込めた柔らかい表現でも構いません。
 
たとえば、「ご清栄のこととお慶び申し上げます」はBtoBに向いていますが、BtoCでは「お変わりなくお過ごしでしょうか」の方が自然です。
季節感以外の情報は避けるのが無難
挨拶文では、天候や時期に関する内容以外の話題(例:景気、災害、社会情勢など)を不用意に入れないよう注意が必要です。
個人差のあるテーマやセンシティブな話題は、誤解や不快感を生むリスクがあります。
また、長すぎる挨拶文は本題がぼやけてしまうため、1〜2文で簡潔にまとめるのがベストです。
まとめ:季節感ある挨拶でメールの印象を格上げ
ビジネスメールの印象を左右する冒頭の一文は、相手への心配りを表す大切な要素です。
「形式的に書く」のではなく、季節や相手との関係に応じて言葉を選ぶことが、信頼感や丁寧さを伝える第一歩になります。
春夏秋冬の挨拶文をうまく使い分けて、メールの印象アップを目指しましょう。
テンプレートを活用しつつ、場面に応じた一文の工夫が、あなたのビジネスメールをより魅力的なものにしてくれます。