フリーランスとして活動していると、「値上げすべきかどうか」「いつ、どう伝えるべきか」と悩む場面が必ずやってきます。
スキルや実績が増えたのに、昔の価格のままでは時間単価が下がってしまい、消耗するだけという状況にもなりかねません。
本記事では、
- 値上げの適切なタイミング
- クライアントへのスマートな伝え方
- 値上げを成功させるための準備
について、フリーランス歴5年以上の視点でわかりやすく解説します。

値上げタイミングを見極める5つのサイン
1. 案件が常に埋まっている(受注過多)
- 月末までスケジュールがいっぱい
- 新規を断ることが増えている
→ 需要が供給を上回っているなら値上げは正当な判断です。
2. 実績やスキルが大きく成長した
- 有名企業との仕事
- 受賞歴や掲載実績がある
- ツールの習熟度が高まった
→ 「単価=価値」と捉えれば、報酬の見直しは自然な流れです。
3. 周囲と比べて価格が明らかに安い
- 同業者の料金と比べて違和感がある
- クライアントに「安すぎる」と言われたことがある
→ 適正価格への修正は信頼構築にもつながります。
4. 生活コスト・業務コストが上がっている
- サブスクやソフト代が増えた
- インフレや税金で支出増
→ 長く続けるためには、健全な利益率の確保が不可欠です。
5. 「この価格ではもうやりたくない」と感じるとき
→ 心のブレーキは重要なシグナルです。

値上げを成功させるための事前準備
- ポートフォリオの更新(実績・使用ツール・強みを明示)
- 自分の「強み」を言語化(例:対応力、納期厳守、業界特化)
- 現在の価格・新価格のリスト化
- 自信を持つための「根拠」を準備(実績・相場比較)
クライアントへの伝え方|テンプレあり
新規クライアントへの場合
新価格での提示のみで問題ありません。
既存クライアントへの場合
伝える際のコツ:
- 感謝 → 理由 → 新価格 → 移行時期
- 一方的にならず、丁寧な口調で説明
▼メールテンプレ例:
いつもお世話になっております。
○○の案件を通してお力添えいただき、心より感謝しております。このたび、制作体制の見直しと業務負担の変化に伴い、来月より価格を一部改定させていただくこととなりました。
【改定内容】○○○円 → ○○○円(◯月◯日以降のご依頼より適用)
今後もクオリティと対応力を第一に努めてまいりますので、ご理解いただけますと幸いです。

よくある質問(FAQ)
値上げすると依頼が減りませんか?
一部は減る可能性がありますが、「価格で選ぶ層」から「価値で選ぶ層」へシフトするチャンスでもあります。
どれくらいの幅で値上げしていいの?
一般的には10〜30%以内が推奨されます。
相場や実績に応じて判断を。
値上げしても誰にも言わないとバレませんか?
値上げは信頼関係の上に成り立ちます。
既存顧客には明確に伝えましょう。
まとめ|価格は自分の働き方を映す鏡
「値上げ=悪」ではなく、「自分の価値を再確認するタイミング」です。
勇気を出して適正価格に向き合うことで、収入だけでなく仕事への満足度や信頼度も大きく向上します。
