「毎日更新しているのにアクセスが伸びない…」
そんなとき、本当に必要なのは“新しい記事を書くこと”ではありません。
実は、過去の記事をリライト(再編集)するだけでアクセスが2倍以上になることも珍しくありません。
Google Search Consoleを使えば、どの記事が“死んでいる”のかを数値で見抜くことができます。
この記事では、リライト対象の見つけ方・直し方・再評価のコツを、現役SEOライターが実例つきで解説します。
なぜ「記事リライト」はSEOで最強なのか?
新規記事よりも速く順位が上がる理由を、Googleの評価ロジックから解説します。
- Googleは「更新頻度」より「内容の鮮度」を重視する
- 既にインデックスされ内部リンク網に乗っているため、再評価が早い
- 被リンク/サイテーション資産を再活用できる
- 古い記事はクローラの再訪が減る → 再評価されない
- リライトは「再クロール」を誘発し順位をリセットできる
- GSCのデータで確度の高い仮説から着手できる(無駄撃ちが少ない)
どの記事をリライトするべきか【Search Consoleで判定】
条件 | 目安 | 意味 |
---|---|---|
平均掲載順位 | 10〜25位 | “1ページ目目前”でCTR改善が効く帯 |
CTR | < 3% | タイトル/導入でクリック損失 |
表示回数 | > 1,000 | 潜在トラフィックが十分 |
更新時期 | > 6か月前 | 鮮度不足で評価停滞 |
CTRが低い中位記事(順位10〜25位)
検索には表示されているのにクリックされない。
つまり、「入口(title/description/リッチリザルト/サムネ)」が弱い状態。
この層が最も「リライト即効果」が出やすいです。
GSCでの見つけ方
- 「検索パフォーマンス → ページ」
- 期間:過去12か月
- 表示回数:1,000以上
- 平均掲載順位:10〜25位
- CTR:3%未満(サイト基準に合わせて2〜4%で調整)
改善の主眼=“SERPでの選ばれ方”を変える
- タイトル:検索意図語+差別化ワード+具体化
- Before:登録不要のフリー画像サイトまとめ
- After:【2025年最新版】登録不要で今すぐ使えるフリー画像サイト15選|商用OK・高画質
- メタディスクリプション:ベネフィット→範囲→安心材料
- 例:会員登録なし・商用利用OK・高解像度に対応。失敗しない選び方と注意点も1分で把握。
- 見出し(H2)をSERP向けに再命名
- 「概要」→ 「登録不要が便利な理由(時短・安全・高画質)」 のように“知りたい言葉”で置換
- リッチ要素
- FAQ構造化データ(2〜4問)/価格や数の数字表記/年号(2025年)
- サムネイル(OGP/アイキャッチ)
- 1200×630、左に短い訴求(登録不要/比較表/2025)+右下にロゴ
表示回数は多いがクリック数が少ない記事
タイトル改善・導入文の見直しでCTRを上げられる潜在記事。
話題は大きい(Impressions多い)のに、当て切れていない。
多義語・意図ズレ・SERP差別化不足が典型。
GSCでの深掘り
- 対象URL → 「クエリ」タブ
- 「表示回数が多いのに順位10〜30」のクエリを抽出
- それらの語をH2/H3・導入・画像altに“自然に”反映
- 「ページ」タブのCTRが特定クエリで低い場合はタイトルをクエリ語に寄せる
改善の主眼=検索意図の取りこぼしを拾う
- 導入文の三段構成:共感 → 結論 → 保証(根拠)
- 例:
- 登録が面倒/商用可が分かりづらい…
- 本記事は「登録不要×商用OK×高画質」に絞って厳選
- 2025年最新・注意点と比較表つき
- 例:
- H2の再編(意図バリエーションを増やす)
- 例:「フライト向け」「ジム用」「完全無料」「商用可」「登録不要」「比較表」など軸で分ける
- “今すぐ使える”導線
- 冒頭に「ダウンロード先まとめ(内部目次リンク)」を設置 → “解決スピード”を見せる
半年以上更新されていない記事
“古い情報”と判定されやすい領域(価格/仕様/リンク切れ/外部データ)は特に影響大。
500文字程度の追記でも再評価される。
更新の基本設計
- 最低 200〜500字の“意味ある追記”
- 例:2025年の仕様変更・新モデル・新料金・規約変更・ベストの入れ替え
- 古い情報に注記
- 例:(2023年の情報。2025年更新版はこちら) と内部リンク
- 比較表の刷新
- 欠番・終売・リンク切れの棚卸し → 新規2〜3項目を追加
- 日付の明示
- 冒頭:最終更新日:YYYY年MM月DD日
- タイトル:【2025年版】 を付与(※乱用せず“本当に更新した時に”)
再評価オペ
- GSC「URL検査」→ インデックス登録をリクエスト
- 人気記事から内部リンク(文脈アンカーで)を送る
- SNSで更新要約(3行)を添えて再告知
NG例
- “語尾や語順だけ変えた”見せかけ更新
- 年号だけ差し替え/内容ほぼ据え置き
順位が急落した記事
過去に上位だった記事は「更新不足」や「キーワード競合」が原因。
タイトル変更+見出し整理で復活しやすい。
特定と対処の流れ
- 期間比較(直近3か月 vs その前の3か月)で下落を把握
- クエリ単位の順位変動を確認(特定キーワードで落ちたのか、全体なのか)
- 競合上位3〜5本をスクレイピング的に比較
- 見出し順、FAQの有無、最新データ、比較表、E-E-A-T(体験談・権威ソース)
- 構成を再設計
- “解釈の主流”に合わせ、H2の順序・見出し名を競合同等以上に調整
- タイトルの“約束”を本文で完全に満たす
- 例:「比較表付き」「2025年最新版」「完全ガイド」を本当に実装
- 内部リンクの再配線
- 該当テーマ群からクロスリンクを増やし、クローラビリティを上げる
復活を早める“追い打ち施策”
- 冒頭に要約(3〜5行)を追加(SERPから来た人へ“答え最速”)
- FAQ構造化データを追加(検索意図の“短文回答”を示す)
- 図版1枚(比較・フロー)を挿入(離脱率低下に効く)
優先度式:優先度 = 表示回数 × (0.04 - CTR)
※CTRが4%を下回るほど優先度↑(仮のしきい値)。
Spreadsheetで算出し、降順で上から着手。
リライト記事の探し方【実データ分析手順】
- Google Search Consoleで「検索パフォーマンス」→「ページ」タブを開く
- フィルタ:表示回数 > 1000 / CTR < 3% / 平均掲載順位 > 10 を抽出
- 各ページ詳細の「クエリ」タブで高表示クエリを確認
- タイトル・導入・見出しに主要クエリを反映


このページを確認しましょう。
「表示回数に対してクリック数が少ない」記事が狙い目です。
ちなみに期間の絞り込みで「過去12ヶ月」くらいにしておくと良い感じに見れます。

リライトの手順【3ステップで完成】
タイトルと導入を刷新
クリック率を上げる最短ルート。
「数字」「最新版」「解決ワード」(例:保存版/完全ガイド/チェックリスト)を含める。
目的 | 型 | 例 |
---|---|---|
最新版訴求 | 【年版】+ 解決語 + キーワード + 数字 | 【2025年最新版】登録不要で使えるフリー画像サイト15選 |
即解決 | 悩み文 + すぐ使える/保存版 | 会員登録が面倒?今すぐ使える無料素材サイトまとめ【保存版】 |
比較意図 | ○選 + 比較/表/早見表 | 3C認証モバイルバッテリーおすすめ12選【比較表付き】 |
導入文テンプレ
〇〇を探しても、登録が必要だったり古い情報ばかり…。
本記事は主キーワードの検索意図に沿って、
結論(何が分かる/手に入る)→方法(どうやる)→安心(実例/最新/無料/商用OK 等)の順に解説します。
<チェックリスト> 今回わかること:A / B / C
H2構成を見直し
「結論→理由→具体例→まとめ」の順に並べ直す。
Googleは構造の明確さを重視しています。

基本的には
問題→解決→比較→手順→FAQ
の順で構成しましょう。
H2 問題の正体(なぜ起きるか)
H2 解決の原則(選び方/基準)
H2 おすすめ○選(カテゴリ別H3)
H2 手順・使い方(失敗しないポイント)
H2 FAQ(よくある疑問に短く回答)
H2 まとめ(要点/次アクション)
新情報を追記して再クロールを促す
「2025年版」「最新調査」「追記:〜について更新しました」などの一文を追加するだけでも再評価対象に。
リライト後に行うべき再評価チェック
- Search Console → URL検査 → インデックス登録をリクエスト
- 投稿日を更新日に変更(2025年更新を明記)
- 人気記事・関連記事から内部リンクを送る/SNSで再告知

実例:リライトで順位を取り戻した記事
現状 | 課題 | 対策 | 期待効果 |
---|---|---|---|
CTR 2.94% / 順位 19.5 / 表示 94,996 | タイトル抽象/導入でベネフィット弱 | タイトル刷新・導入最適化・比較表追加 | CTR 7〜12% / 順位 8〜12位帯へ |
例:CTR 2.9% → 9.8%に改善した「登録不要フリー画像」記事。
修正ポイントはタイトル・h2・まとめ・導入の刷新+比較表の追加のみ。
旧記事 | 新記事 | |
---|---|---|
タイトル | 会員登録不要・商用利用可能・無料の素材サイト5選 | 【2025年最新版】登録不要&商用利用可能な無料素材サイト5選|画像・イラスト・アイコン対応 |
h2 | メリット | 登録不要&商用利用OKな素材サイトを選ぶメリット |
まとめ | まとめ | まとめ|登録不要&商用OK素材で制作効率をアップしよう |
再評価を最短で引き出す運用
- 更新直後にGSCでインデックス登録をリクエスト
- 更新日を記事上部に明記(2025年10月更新など)
- 上位流入記事から内部リンク(文脈アンカー使用)
- SNS再告知(更新点を3行で要約)
よくある失敗と回避策
主要記事は四半期に一度、季節記事は季節前に。
順位急落時は即対応しましょう。
文字数を増やすこと自体が目的ではありません。
検索意図の充足が最優先。
まとめ|“死んだ記事”こそ最短で伸びる
SEOは「新しい記事を書く」ことではなく、
「既存の記事を最新化する」ことが最も効率的です。
Search Consoleを使えば、直すべき記事・伸びる記事・放置していい記事をすべて数値で判断できます。
今日からは、“書く前に直す”を始めましょう。